「覚える」
「暗記する」
何かを身に付けようとした時、これは必ずと言っていいほど重要になるスキルです。
ともすれば大人から
「暗記ぐらいはできるでしょ」
「覚えられないのは本人の努力不足」
と言われてしまうこともありますが、そう簡単でもありません。
多くの生徒にとって「覚えられない」は大きな悩みです。
これまでたくさんの生徒を見てきてわかったのは、
「覚えられない」のではなく「覚え方を知らない」
のだと言うこと。
時には、大人が間違った覚え方を教えている場合すらあります。
その代表的なものが、
「とりあえず書く」
「何回も書く」
です。
特に「何回も書く」は、「がんばって勉強してるのに覚えられない」という子の大半がやってますね。
この「何回も書く」、理屈で考えると、間違っていることばかりのはずなんですが…。
例えば、「destroy(破壊する)」という英単語を覚える場合で考えてみましょう。
この時、実は2段階の「覚える」が存在します。
1つは、「破壊する」という日本語と「destroy」という英語を結びつける意味での「覚える」。
この時、必ずしもつづりは覚えていなくても構いません。
それよりも、「デストロイ」という発音を思い浮かべられることが大事です。
これを“覚える①”とします。
もう1つは、「destroy」というつづりを書けるようにする意味での「覚える」。
これはもうそのままですね。
正確につづりを書くための暗記です。
これを“覚える②”としましょう。
さて、「何回も書く」ことによって、
覚える①や②はできるようになるのでしょうか?
答えは「否」ですね。
何回も書くことだけで、①「破壊する」という日本語から「デストロイ(発音)」を思い浮かべることはできません。
また、何回も書くことで②「destroyのつづり」を覚えることもできません。
これは一見できそうに思えますが、できません。
理由は、「自分が書いたものを横に見ながら、次の単語を書いている」からです。
要は写しているだけなんですよね、多くの場合。
だから、「とりあえず書く」「何回も書く」はほとんど意味がありません。
(と、私は思います)
ではどうするか…ですが、
それはまたの機会に紹介したいと思います!
とにかく、
「何回も書いてるのに覚えられない」という人は、
そのやり方をやめてみましょう。
何よりも…何回も書くのって苦痛だと思うので。